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9月上旬のうごき

9月4日(月)〈日本型リフォーム〉
 協力会社の勉強会で、私は増改築の職人のマナーの話をした。
 技術・技能は当たり前、お客様には埃、音、駐車、セキュリティ等に対する不安を与えながら仕事をさせてもらうのだ。この気持ちを監督、大工、協力業者に徹底させた工務店のみがリフォーム市場に残れる。
 大体、昼間お客様が住んでいる家に自由に出入できる国なんて単一民族の日本だけで、工務店経営者も「職人は絶対にまちがいをおこさない」という信頼のもとに仕事を頼んでいるのだから。
 しかし、あと10年、20年先、この型のリフォームができるかは疑問である。米国のリモデリングは、ほとんど居住者のいない空室でのみ成立している。多分、彼らは今の日本型リフォームは信じられないと言うと思う。この日本型を支えているのは、悪評が命取りの地域に密着した「SAREX型工務店」なのだ。
 私には見ず知らずの地元の人ではない営業に、簡単に仕事(特に内部に入る)を頼む施主の気持ちがよくわからない。

9月5日(火)
 全建連の四役会。
 実は今私は全建連という全国工務店組織の副会長をやっている。住生活基本法にもあるストック住宅を守っていくのは、地域密着型の工務店はしっかりと勉強し、伝統技術と新技術で地域を守っていかなければならない。そのため全建連本部にサポートセンターを組織し、工務店に情報を流し、本人が元請型工務店として継続していけるサポートをしたいと考えている。
 現在、特別委員会を組織し、私が委員長として企画・立案しているが、ありがたいことに正・副会長、常任理事の皆さんが賛同していて、「工務店組織づくりの最後のチャンスだから、青木さんに協力するから思い切りやってくれ」と言ってくれる。
 力不足であるので、どこまでできるかわからないが、工務店の経営者の現職の立場から、こうすれば仕事がとれる、人材育成ができる、地域に役立つ等、投げかけてみたい。

9月9日(土)
 夕方、SAREXメンバーの大沢工務店さんに伺い、1時間ほど話す。
 大沢さんは、職人型工務店の典型だと私は思っている。大沢さんの一言一言が私の物づくり魂を刺激し、気持ちが良い。多分、大沢さんも私の物づくり魂を少しは認めてくださり、相手になってくれるのだと思っている。
 大沢さんは昭和49年に独立し、地元の大きな家を専門につくってきた。戦後独立して工務店の看板を上げた人はたくさんおられるが、大沢さんが建てている所は、
・大きな家をつくるのに、大きな作業場を持った(これはSAREXメンバーの中でも最大級だと思う)。
・良い材、大きな材を丸太で買い、引き割り、材でストックしてある(これは我が社にも通じるところがあり、自己満足、税金対策、お客様へのアピール性で一致した)。
・大きな木工機械。大きな家をつくるためには大きな材が必要になるが、そのために日本に何台かしかない3尺幅の超仕上げ、自動、長さ3m以上の手押し、ハンドソー、全て7~8m幅で3尺材に対応。普段自慢などしない大沢さんが、私には気持ちがわかると思っていただいたのか話してくれた。
・職人から工務店になって成功した人には人格がある。また技能・技術の向上心がある。「大きな材を加工する時、直角(カネ)と寸法、削りを機械にやらせると、あとの手動具仕事が楽なのだ」と言う。言葉から、機械がなく大きな材を加工するのに苦労している工務店より、大きな立派な家を建てるための真の合理化が進んでいるのだと思った。
 1時間ちょっと、久しぶりに気持ちの良い会話をすることができた。会社の形は違っても物づくりの心は1つだ。「自分に恥ずかしくない仕事」。
 私は大沢さんに「お客のため」よりもっと深いものを感じた。

9月15日(金)
 この1週間で30年以上前に当社で施工したお客様のお宅の耐震診断をした。ソフトは財団法人日本建築防災協会の一般診断ソフトを使用。
 3件中1件は1.0をX・Y方向共クリアで、2階に火打ち梁11本取り付けのみ、他の2件は1階X方向(短辺)が0.68と0.92、他は1.0を大幅にクリア。0.68は耐震改修やリフォームを行い、0.92は内部壁の補強で0.988まで近づき、小屋筋かい補強で終了。
 「30年前、私が図面を描いて、私が現場を見てましたから」なんてお互い歳をとったお客様になんだか自慢しています。
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by sarex1 | 2006-09-19 11:16

真面目に仕事をしています

8月31日で基本制度部会が終了。姉歯事件で建築士法、瑕疵保証の資産担保の問題の答申が出た。
建築士は講習と考査の義務付けでこの秋の国会を通る予定。
瑕疵保証の方は保険と供託、信託の仕組みが間に合わず、来春の国会に提出予定らしい。
いずれにせよ大手であれ、地域工務店であれ、真面目に仕事をしている者にとって公平な仕組みにしてほしいものです。

[耐震診断]
最近の私の仕事は昭和40年代、50年代の家に訪問して話を伺うことが多い。私が駆け出しで現場を見ていた頃のお客様はほとんどが60代、70代で、一番多い相談は「この建物地震がきても大丈夫でしょうか?」。
電話での問い合わせが来ると訪問して簡易診断―建防協のソフトを使っての一般診断をする。
結果は1.0近くのものが多い。その理由は外壁の壁に計算以上に筋交いが入っているため。真面目な仕事の大切さを改めて感じる。
今の仕事もあと30年経った時に同様の結果が出ることを望みます。

[省エネ診断]
断熱性能については30年前の建物は全くダメ。日本の国に断熱性能の考えがなかったことを痛感する。
天井―床―壁―サッシの優先順位で予算に合わせて断熱工事。さすがに15年前の建物からは断熱性は良くなっている。

[工事]
いずれにせよ、診断をする人はいても工事をする人がいなければ消費者は困るし、国も住生活基本法を満足させることはできない。
流しの交換、洗面台の交換、ユニットバスの交換はメーカー系の取り付け屋さんに任せて、性能アップリフォームを「地域に必要とされる工務店」としては頑張ります。
最近、昭和40年代からの図面、仕様書、契約書が大変役に立っています。
改めてもう一度「真面目に仕事をしてきてよかった」。
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by sarex1 | 2006-09-04 10:35 | 審議会